校則がない!?おおぐろの森中学校視察
校則と児童生徒指導を考える地方議連としては初めての先進地視察となりました。
昨年4月に開校した流山市立おおぐろの森中学校へ。
こちらの中学校の最大の特徴は公式ホームページにも記載がありますが、
◇校則なし
◇夏休み・冬休みの宿題なし
◇チョークをほとんど使わない授業
という、学校としてはなかなかみることがない特徴があります。
ただ単に『校則がない』だけなのではなく、教員の働き方改革などがセットとなった学校運営全体の改革が全体像としてあり、ゴールとして掲げる『自律』をはじめ、生徒と教員の行動の軸になるものがしっかりと定まっていることで、学校が責任と管理の大半を担うような従来の形ではなく、生徒・保護者も共に、それぞれが責任を持つことで【校則なし】を実現しているということが理解できました。
『生徒を一人の人間として対等に扱い自分で考えてもらう、教師は教えるのではなく子どもと向き合い、気づかせたり支える存在なのだ(Teachからcoachへ)』という校長の考え方のもと、基本的には持ってくるもの・着てくるものすべて生徒個人の判断に委ねることで、大人になったときにその状況に応じた行動がとれるように、失敗してもそれが大事な学びととらえ、自主的に判断をする手助けを教員はするまでということだそうです。
学校の校則の見直しを推進する当議連としては、もはや校則がない学校があることは想定の先を行くところではありましたが、学校長である前川先生からのお話を伺い、教員の具体的な業務削減・効率化への取り組み、子供たちの自主性あふれる活動、校舎内にちらばる工夫の数々はソフトにもハードにもまさに素晴らしい学校でした。
ここ流山だからできることなのか。それは異なる条件の地域でも取り組んでみないことには分かりませんが、少なくともおおぐろの森中学校が取り組んでいることは、日本が目指すべき教育の姿なのではないでしょうか。
これらの取り組みを全国に広めるというのは校長個人ではなかなか難しいともおっしゃっておりました。議連としても、ここで得られた知見を全国に広めるべく、各所属自治体での活動に取り組んでいく所存です。
~以下、校内の様子~
電子黒板を活用している為、教員がチョークを使用する機会は少ない。
授業中に生徒たちが着用するものにはもちろん決まりはない。グッズとして学校で販売しているパーカーやTシャツを着用している子が多い印象。
主権者教育の一環で社会科の授業で行った模擬選挙
本物の選挙さながらのポスター掲示がされていました。選挙への理解、政治への関心につながる狙い(甘党、こんぺい党、フレンチトース党…とずいぶん甘めの党名が多かったのはリアルと違う点ですが、それがまたかわいらしかった。)
木材の香りが広がり、温かみもありながら開放感あふれる校舎施設。校舎建築には国産材95%使用とのこと。
敷地開発時に出土した遺跡物の記録展示コーナーも木材を活用し、温かみのある造りに。
自習室にあたる部屋には今後自販機の設置を予定しているそう。
校舎内にはさりげない知識やちょっと楽しくなる仕掛けがちらばる。
前川校長先生、多田教頭先生、授業を見学させてくださった先生や生徒の皆さん、本当にありがとうございました。
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